注目記事を読む

「ホメツボ」に「ほめ達!3S」ほめる達人が教えるほめ方のポイント

人をほめることはお互いにいい気持ちになれて素敵なこと、でも上手にほめるって意外と難しい……と考えていませんか?確かに的外れなほめ言葉では、かえって相手に不信感を与えてしまうかもしれません。しかし、「ホメツボ」=「ほめられると特にうれしく感じるツボ」さえしっかり押さえていれば、実はそれほど難しいことではないのです。

今回は、あらゆる性格・タイプに適応した「ホメツボ」を押さえたほめ方と、すぐに使える「ほめ達!3S」について、日本ほめる達人協会理事長の西村貴好さんに教えていただきました。
 

「ほめる」とはどういうこと?どんな効果がある?

ほめることを難しく考えてしまうのは、正しいほめ方を知らないからです。ほめることは、おだてたり、おべんちゃらを言うことではありません。ほめることとは、相手の価値を発見して伝えること、相手に光を届けることです。光がなければダイヤモンドも石ころと同じです。光を届けるということは、相手に関心を寄せるということです。

ほめることは気持ちの面だけではなく、仕事の成果など実用面にもよい影響を与えます。ほめることの効果については2010年より、日本ほめる達人協会顧問である同志社大学太田肇教授と検証を行っています。2010年の検証実験では、公益企業Aでおよそ1,000人の従業員の上司に対して、まず半分の上司に「ほめ達!」研修を実施。残りの半分には研修をしなかった結果、「ほめる」=承認行動があった上司の下で働いた部下と、そうでない部下の間には、有意の差がみられました。特に35歳以上と未満の部下でその違いは顕著でした。

この結果を受けて住友生命で営業成績に変化があるのかを同様に検証。「ほめ達!」研修を受けた143名は、研修を受けなかった523名に対しておよそ2割、正確に言うと19.6%営業成績がアップしたという結果が出ました。2012年の研究結果です。これらの検証からも分かるように、ほめることは実用的でもあるのです。
 

実践したい!4つの「ホメツボ」と「ほめ達!3S」

では、喜ばれるほめ方とはどのようなものなのでしょう。ほめ方のポイント、4つの「ホメツボ」をお伝えしていきます。最初の①と②はセットで使うといいでしょう。

① 事実が入っているということ
例)「素敵な笑顔ですね」あるいは「春らしい色のシャツですね」

② その事実が誰かの役に立っているということ
例)「その笑顔で元気をいただきました」「そのシャツのおかげで気分まで明るくなります」

ほめることとおべんちゃらとの違いは、①の事実が入っているかどうかです。たとえば、笑顔の人に「素敵な笑顔ですね」という言葉を伝えた場合、笑顔という事実には間違いがないので、ほめ言葉としてOKです。

そして、さらによいほめ言葉にするためには、この②が有効です。「素敵な笑顔ですね。なんだか元気をいただきました!」笑顔という事実が、自分に元気を与えているという役立ちや、貢献を伝える。また、第三者の声を使うと一層効果が高まります。「素敵な笑顔ですね。元気をいただきました。いつもみんなで言っているのですよ、〇〇さんの笑顔って、本当に素敵だって」

通常は、ここまででOKなのですが、もし相手がほめられることを拒絶するような場合、役立つのが「主観でほめ切る」ということ。

「素敵な笑顔ですね。元気をいただきました。いつもみんなで言っているのですよ、〇〇さんの笑顔って、本当に素敵だって」
「いえいえ、そんなことないです」(相手が謙遜した場合)
「少なくとも、私は素敵だと思います」(主観でほめ切る)

誰かにそんなことを言われたら……と想像してみてください。ポッと心があったかくなりませんか?

③ ほめるときには「いつも」をつけること
ほめるとき、つけておきたい言葉は「いつも」です。

「〇〇さんって、いつも、姿勢がいいですよね」
「〇〇さんって、いつも、仕事が早いですよね」

この「いつも」には、私はいつもあなたのことを見ていて素敵だと思っています、という気持ちがこもっているので、相手に対する貫通力が高まります。

参考までに、叱るときには「いつも」をつけると反感を買うので、「珍しいね!」「今日はどうしたの?」「あなたらしくないよ」という言葉をつけましょう。決して、ほめるときと叱るとき、「いつも」と「珍しい」を逆にしないでくださいね。

NG例)
×「今日は、仕事が早い。珍しいね!」
×「君は、いつも、ここ間違うよね」

④ 目上の人に対する「ホメツボ」は質問すること
目上の人に対して、どうほめればいいのか、ちょっと難しそうですが、この「ホメツボ」を使えば大丈夫。それは、質問するということです。

「〇〇さん、どのようにして、その技術を身につけられたのですか?」
「どの時間を使って勉強されているんですか?」
「読書家の〇〇さん、私にオススメの本はありますか?」
「〇〇さんに仕事上の師匠っていらっしゃるんですか?どんな方なのですか?」

質問することで、私はあなたのことを素晴らしいと思っています、尊敬しています、あなたのようになりたいと思っています、と伝えることができます。イメージは、ヒーローインタビューです。ヒーローインタビューは、質問の形をとった賞賛なのです。どんどんヒーロー・ヒロインインタビューをしてみましょう。

また、上記4つの「ホメツボ」に加えてぜひ実践したいのが、「ほめ達!3S」を使うこと。
ほめる達人が使う口癖というのがあります。それがSではじまる次の3つの言葉。

「すごい」
「さすが」
「素晴らしい」

女性の場合には、これに「素敵」という言葉を足してもいいでしょう。人間の脳は、怠け癖があるのですが、その一方で非常に優秀です。「すごい」と言ってしまうと、必ずその後にすごい理由を探そうとするのです。まずほめよ!後はそれから考えよ、です。騙されたと思って、この3つの言葉を口癖にしてみてください。
 

初対面の人には「名前」をほめる

相手が初めてお会いする人の場合、名刺交換のときなど上手にほめてちょっと場を和ませたいですよね。初対面の人をどのようにしてほめればよいのか!私たち「ほめ達!」協会がオススメしているのが、「名前をほめる」ということです。

「素敵なお名前ですね」

自分の名前をほめられて、悪い気持ちになる人はいません。ごく稀に、実は名前がコンプレックスなんです、という返事をされる方もいらっしゃいますが、そんな方にこそ、素敵なお名前ですよ、と言い切るのです。子どもの名前を考えるのに、悪意を持って考える親はいません。名前とは親の愛が結晶化されたものなのです。
相手の名前に関心を持つ、特に下の名前。名前に使われている漢字というのは、よい意味を持っていることがほとんどなので、相手の名前の漢字にも関心を寄せましょう。名前に関心を寄せるということは、相手の存在そのものに関心を寄せることになります。
 

挨拶にひとことプラスで、相手を承認する行為に

では、相手をほめようとしても、瞬時に「ホメツボ」が思いつかない場合はどうしたらいいでしょうか。そんなときは、簡単にほめる方法「二言(ふたこと)挨拶」が有効です。これは、挨拶にひとことプラスするほめ方です。

「おはよう!今日も元気ですね」
「おはようございます。春らしいワンピースですね!」

あるいは、もっとシンプルに
「おはようございます。〇〇さん」
と挨拶に名前をプラスするだけでもOK!

さらに
「あっ!おはよう!」
「おお!おはよう!」
このように、感嘆詞を挨拶にプラスするだけで、ほめ言葉になるのです。

こんなことがほめ言葉になるの?と思うかもしれませんが、はい、立派なほめ言葉です。挨拶とは、「私はあなたの存在を認めていますよ」と相手に伝えることであり、相手の存在そのものを認めるという承認行動といえます。「いつもサポートしてくれて、ありがとう」この事実の部分は、事実が小さければ小さいほど、よいほめ言葉となります。試してみてくださいね。
 

まとめ

いかがでしたか?ほめることへの意識が随分と変わったのではないでしょうか。こんなことでよいのならできそうだ、やってみよう。そんな気持ちになったのでは?「ほめることは、人のためならず、まわり回って我が身の幸せとなる」と西村さんは言います。相手を照らすほめ言葉は、照り返しであなたを照らします、とも。人が最も美しく見える光の当て方は、間接照明。まわりをほめ言葉で輝かせているあなたが、その照り返しで、最も美しく輝くそう。ほめるときは「ホメツボをしっかり押さえる」「的を外さない」ことにも注意を払いつつ、実践してみてください。

※この記事は2018年2月時点での情報です。
 

記事執筆:西村貴好
「泣く子もほめる!」ほめる達人。
大学卒業後、家業のホテル運営で人材定着不足に悩む。その中で「ほめて伝える」効果に気付き、たった一年で人材募集費を年間120万から0円にする。2005年、ほめる調査会社「C’s」創業。ほめる仕組みで組織を活性化。橋下知事が大阪府の調査を2年連続で依頼。その様子をNHKが「クローズアップ現代」で全国放送。採用企業の業績は平均120%に。3ヶ月で売上を161%に伸ばす企業も。2010年から「ほめ達!」検定をスタートさせ、講演・セミナーは時間があっという間!と評判。「エチカの鏡」「深イイ話」などTV出演も多数。著書「繁盛店のほめる仕組み」は経営者だけでなく親・教師の間にも口コミで広がり、現在6刷、増刷中。

関連ワード