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瞑想的な“陰ヨガ”で肩こり、むくみを改善。日々のストレスから身体と心の健康を守る

 

毎日の仕事を頑張っていると、知らないうちに体に疲れがたまってしまうことがあります。肩や背中のこりや手足のむくみ、頭痛といった症状に悩まされることはありませんか?
これらの多くは同じ姿勢を長時間取り続けることで首や肩の周りの筋肉が固くなり、血流が悪くなって引き起こされてしまうもの。では、そうならないようにするためには、どうすればよいのでしょうか?

今回は、心身のバランスを上手にとりながら健康を促していく「陰ヨガ」で悩みを解消していきましょう。「陰ヨガ」の指導者であり、ダンサーとしても活躍しているcoco鮎美さんにインタビューしました。
陰ヨガの特徴と、毎日おうちで簡単にできる、肩コリと頭痛の解消ケア、アンチエイジングケアなどについて紹介していきます。

中医学に基づき身体を流れる12の経絡を刺激する「陰ヨガ」とは?

ヨガと聞けば、アクティブに身体を動かすもの、ゆったりとくつろぐものなど、いろいろな種類がありますが、中でも最近静かに注目を集めているのが「陰ヨガ(Yin Yoga)」。

coco鮎美さんによれば、陰ヨガは中国の伝統医学(中医学)の陰陽5行説に基づいており、身体を流れる気(Chi)の通り道である12の経絡(けいらく)を刺激するポーズを行うヨガなのだとか。

経絡は身体から心へとつながっていることから、経絡(身体)の巡りをよくすることで、未病を防ぐことや心身のバランスを取ることに繋がるのだそうです。

陰ヨガでは、身体の不調が感じられる部分に関連する筋膜(筋肉を作る組織)や、靭帯(じんたい)などを刺激を与えるポーズを行います。コリをほぐすことで、身体全体の巡りを良くしていきます。

トレーニングのように身体を鍛えるというよりは、身体の巡りをよくして心身のバランスを調整するイメージです。多くの人が抱えている「身体のコリ」「むくみ」「頭痛」といった悩みを解消し、健康な身体を手にいれるためのメソッドともいえます。

陰ヨガにおける「コリ」の原因は経路の流れが滞ること。このコリをヨガでほぐす

陰ヨガで大切だとされている「経絡」は、基本的に体中を川のように流れています。けれども私たちが「コリ」を感じる時は、凝っている部分の筋膜や結合組織が固まり、経絡の流れが滞ってしまっている状態です。「むくみ」なども同様に、身体の巡りが悪くなることによって、体内に不要な水分が蓄えられていることが予想されます。

中医学では、このように経絡の流れが滞り、身体の巡りが悪くなると、経絡に関連する内臓がさまざまな症状を引き起こして病気になると考えられています。陰ヨガのポーズでゆっくりと筋膜の癒着をほぐすことは、コリをほぐしてむくみを解消し、病気を予防することなのです。

また、陰ヨガで巡りのいい身体を作ることは、身体にたまっている水分や毒素を排出することにも繋がります。

この点についてcoco鮎美さんによれば、
「体に不必要な毒素には、ストレスなどの感情面も含まれていますが、陰ヨガをすることで心を落ち着けて、さまざまな気づきを得ることもできる」

とのことでした。また、身体をほぐすタイミングについてはこのようにおっしゃっていました。

「個人的には隙間時間など、できるところで凝り固まった身体のほぐして、しなやかな身体を取り戻すのがおすすめ。私の場合、お風呂に好きなアロマオイルなどを垂らしたアロマバスにして、子供が寝た後にリラックスしながらじっくり浸かることも」

さらに、陰ヨガを実践する際に重要なのが楽しむ心をもつこと。そのほうがより幸福を感じやすく、深い睡眠をとった後のようなリフレッシュ感をも与えてくれるそうです。こうして自分の心を自分で満たすことができれば、健全な心が養われ、心のコリからも解放され、物事のとらえ方がポジティブになることが期待できるそうです。

仕事場でも簡単にできる! 実践 頭痛&肩こりへのアプローチ

睡眠から目覚めたときや長時間同じ体勢をとったあとのびをしてしまうのは、本能的に硬くなった筋膜や靭帯を伸ばそうとするためです。柔らかくした関節には、リンパや血液、気が巡っていきます。年を重ねるごとに身体の水分が奪われやすくなり、関節も硬くなりがちなので、毎日少しの時間でもストレッチをしたり、身体を温めて巡りをよくする事が効果的です。

立ちっぱなしの仕事をしている人は、重心のバランスが悪くなり腰に負担をかけてしまうことがあります。そのため腰から背骨の動きをよくし、股関節を柔らかくするストレッチで血流と気の巡りをよくする事をおすすめします。

デスクワークで長い時間同じ体勢をとっている人は、仕事のあとにストレッチをして固くなりがちな肩の関節をほぐしてください。肩こりや頭痛は、長時間の前のめりになった頭を支える首と肩の張りや、目の疲れなどから起きている可能性が大きいと言えます。そこで、今回はオフィスで座ってできる「肩こり・頭痛の緩和につながる陰ヨガ」をご紹介します。陰ヨガは各ポーズで脱力して身体を重力に任せ、経絡が流れる部分にアプローチをかけていきます。一つひとつのポーズに時間をかけながら、身体の伸びを感じながら実践するのが効果的です。

ただし、どんな場合でも、やりすぎ、取りすぎは禁物。毎日少しずつ続けることから始めてみましょう。

1. 身体を伸ばす

朝起きた時や疲れた時には両手を組んで、思いきり上に向かって伸びをしましょう。身体が筋膜を緩ませて、滞っていた身体の巡りを促進してくれます。同じ姿勢で固まった肩や肩甲骨を伸ばすイメージで。

2. ヘッドケア

両手を使い、こめかみを指で押します。頭の側面を手で押さえ、手のぬくもりを感じたら、頭のコリを柔らかくするイメージで痛くない程度に指でマッサージをしてみましょう。

3. 首のストレッチ

左側の耳、または側頭部に右手を置き、腕の重さに任せて右の方にゆっくりと首を傾けながら、左首筋の伸びを感じてください。多少のストレッチの効果を感じながら、気持ちよく感じる程度で伸ばしてみましょう。(1~2分)


気持ちがよいと感じたら、少しずつ首を曲げる向きをかえてみたり、伸ばす位置を少しづつ変えて行くのも効果的です。終わったら反対側を同じようにやってみてください。
リラックスして座って、首周りの伸びを1分感じましょう。

4. ねこのしっぽのポーズ

椅子の左側を正面にして座り、右足を左足の上にのせて組みます。左手を右足の膝の上において、上半身を右にひねりやすくするように足の固定をサポートします。重心はお尻へおくように意識しましょう。
右にひねったら、次は左にもひねります。

次に右手をお尻の後ろにおいて、右肩越しに後ろを見るように視線を移動させて、頭から腰までをゆっくり右に旋回させて、ポーズを維持します。身体全体の右へのひねりを意識してください。右の肩を背もたれにつける意識で身体をひねり、筋肉をリラックスさせます。(2~3分)
重心はお尻へおくように意識しましょう。右がおわったら左です。

最後は、椅子の正面を向き、全身の力を抜いてリラックス。

身体を整えながら、心の動きにも意識を寄せる「セルフヒーリング」で心身をほぐす時間を

陰ヨガでは、ターゲットエリア(効果を与えたい部分)に刺激を与え、その部分の筋膜を緩めるためにポーズを長く維持します。筋肉に力を入れず、ターゲットエリアを時間をかけてストレッチするのがポイント。また、自分の骨格によってターゲットエリアに効果を感じる箇所が変わってくるので、自分の身体にあったポーズを探しましょう。

このメソッドでは1回のポースに2〜3分という長めの時間を取っているため、時に瞑想的な空白の時間を過ごすこととなります。そのとき頭に浮かぶ思考や感情に対して、自分の心で受けとめずに受け流すようにしましょう。これで、「陰」の姿勢が養われます。

思考や感情を手放すことで、無意識に捉われていた事やこだわり、信念などを発見することができます。このようなこだわりは、無意識に体を緊張させ、身体のコリを作ってしまうこともあります。陰ヨガは、メンタルを原因としたコリを解消するきっかけにもなるのです。

陰ヨガを終えたあとには水分をしっかり補給しましょう(できれば身体を温めるために温かい飲み物を)。そうすると、内臓や器官の活性バランスが整い、老廃物の排出を促してくれます。汗などで老廃物を排出した後は、栄養のある食事と水分を摂り、できる限り睡眠とリラックスの時間を作ってみてください。

【プロフィール】
coco鮎美 (ココあゆみ) Ethno Exotica Vaudeville 主宰
自身の生い立ちをロマ・ジプシーの生き方に重ね、北西インド・ラージャスターンに辿り着いた舞踊家。現地の伝統的楽師の音楽と踊り、民俗文化の研究を深める一方、内に存在する表現力を具現化するため、2010年から本格的に瞑想とヨガ、様々なメソッドのエクササイズで身体的改革を実践。ピラティスや陰ヨガの解剖学から身体改革を促し、中医学に基づく経絡的なアプローチから、人間として自身を知る瞑想的なレッスンを提供している。
インドHari Om Hatha Yoga指導者資格、国際基準BASI Mat Pilates指導者資格、米国ヨガアライアンス認定(300RYT) Yinspiration Yin Yoga指導者資格保持者
www.ethno-exotica.com

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