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「あっ、いま口臭ヤバいかも…」忙しくてもすぐできる!オフィスでの口臭対策を歯科医に教えてもらいました

歯科医が教える!オフィスでの口臭対策と毎日のお口のケア方法
あなたは自分の吐く息に自信がありますか?人は、他人の口臭が気になることはあっても、自分の口のニオイにはなかなか気づかないものです。周りに不快な思いをさせないためにも、お口のケアはしっかりと行いたいですね。今回は、歯科医の片桐健史さんに、オフィスでの口臭対策と口の中を清潔に保つためのケア方法について伺いました。

忙しいときでもサッとできる!オフィスでの口臭対策

緑茶

忙しくてしっかり歯磨きする時間がないときの口臭ケア方法を教えてください。

口臭の元となる代表的な物質に、メチルメルカプタンや硫化水素というものがあります。この物質は、口の中の細菌が食物を分解する過程で発生するもので、水に溶けやすい性質を持っています。そのため、うがいをして水で口の中を洗い流すことで、ある程度ニオイを予防することができます。ニオイの元となる物質を取り除くためには、もちろん歯磨きをするのが一番ですが、忙しくてどうしても時間がないときには、うがいだけでもするようにしましょう。

うがいをするとき、水の代わりにお茶を使うのもおすすめです。緑茶の中に含まれているカテキンには消臭効果があるため、口臭の予防効果も期待できます。また、口の中に分泌される唾液にも殺菌作用・自浄作用があります。そのため、ガムを噛むなどして唾液の分泌を促すのも口臭の抑制に効果的でしょう。

緊張すると口の中がカラカラになって、口のニオイが気になります。その場でできる対策はありますか?

緊張したりストレスを感じたりすると、唾液の分泌は減少します。先にお伝えしたように、唾液には殺菌・自浄作用があるため、唾液が分泌されないとそれらのはたらきが上手く行われなくなってしまいます。また、唾液が減ると、口の中は乾燥した状態になります。すると、ニオイの原因物質が溶けず、口臭を引き起こします。朝、起きたときに口のニオイが気になるという人も多いと思いますが、これも口の中の乾燥によるものです。

このような口の中の乾燥による口臭は、水分をとることで抑制することができます。水やお茶などを飲んで、口の中を潤すようにしましょう。

自分自身の口臭をチェックする方法はありますか?

自分の口のニオイがどうなのか、他人はなかなか教えてくれないし、気になるという方もいますよね。手で口の周りを覆って息を吐き、においを嗅いでみてもよくわからないということもあるでしょう。
自分の口臭を自分で確かめたいときは、袋を用意します。袋の中にハーっと息を吐いて溜め、それからにおいを嗅いでみましょう。そうすることで、自分の口臭を自分でチェックすることができます。

また、一番確実なのは、医療機関などで確認してもらうことです。歯科など専門の医療機関なら、口臭の有無をチェックできますし、場合によっては歯周病など口臭の原因となっている病気の発見にもつながります。口臭が気になるときは、ぜひ医療機関に相談してみてください。

口の中を清潔に保つには、毎日のケアと定期的な専門医でのケアが大事

歯科医の片桐健史さん

お口のケアをきちんと行わないと、どのようなリスクがありますか?

お口のケアをしっかりと行わないと、口臭の原因となるのはもちろん、虫歯や歯周病になることもあります。歯周病とは、歯茎の慢性的な炎症のこと。私たちの身体には、異物から身を守るための防御反応が備わっています。口の中が汚れていると、身体は汚れを排除しようとし、そこに炎症が起こります。その炎症が慢性的になったものが歯周病です。歯周病により膿が出ると、その膿が口臭につながることも。歯周病が悪化すると、歯を支える骨が溶け、大切な歯を失ってしまうこともあります。さらに歯周病は、糖尿病を悪化させるなど身体の別の部分に悪影響を及ぼすということもわかっています。

20代で約7割、30代以上になると8割もの人が歯周病になっている言われていますが、自覚症状がないというのもよくあること。自覚症状として現れる頃にはある程度進行してしまっていることが多いので注意が必要です。

口の中を清潔に保つために、毎日すべきケアと時々行うべきケアを教えてください。

歯ブラシ

毎日すべきことは、歯磨きと、糸ようじなどのデンタルフロス。歯と歯の隙間に入り込んだ汚れは、歯ブラシだけではどうしても取り除ききれないので、デンタルフロスも毎日使用するのがおすすめです。
みなさんの中には「口臭が気になるから…」と“舌磨き”を毎日しているという方もいるかもしれませんが、舌磨きはやりすぎると舌が傷つき、舌に汚れがつきやすくなったり口臭が悪化したりすることもあります。舌磨きに関しては、医療機関で必要と判断された場合に、医師の指示に従って使用する方が良いでしょう。

時々行うべきケアとしては、医療機関にかかること。歯磨きやデンタルフロスでは取りきれなかった汚れが歯石となってしまうので、3~4ヶ月に1回を目安に歯科で歯石を取ってもらうなどのメンテナンスをすることをおすすめします。

ブラッシングと歯ブラシ選びはどう行う?

歯ブラシ

正しいブラッシングの方法とは?

歯磨きするとき、しっかりと磨きたいからといって力を入れすぎてはいけません。例えば、歯ブラシの毛先が数日で広がってしまうという場合は力が入りすぎている証拠です。「ついつい力を入れすぎてしまう…」という人は、歯ブラシをグッと握るのではなく、ペンを持つときのように親指・人差し指・中指の3本で持つようにすると良いでしょう。
ここで、歯ブラシを歯にあてる強さの目安を知るための方法をご紹介します。歯ブラシの毛先を皮膚にあててみてください。このときに皮膚があまり凹まないくらいの強さが、歯を磨くときの正しい強さです。

ブラッシングのコツは、歯ブラシの毛先をしっかりと歯にあてながら、小刻みに振動させることです。このとき、歯だけでなく、歯茎も歯ブラシを使って優しくマッサージするようにブラッシングすると良いでしょう。歯と歯茎の間の溝にも食べ物のカスなどが入りやすいため、歯の根元を磨くときは、歯ブラシをななめ45度にあてて磨いてください。親知らずなど細かい部分を磨きたいときは、“タフトブラシ”という先の細い歯ブラシを活用するのもおすすめです。

歯ブラシはどのように選べば良いでしょうか?

歯の形や歯並びなど、歯の状態は人それぞれ。歯ブラシや歯磨き粉の選び方はそれぞれの歯の状態や磨き方によって変わってくるので、「この歯ブラシ・歯磨き粉が良い」と一概に言うことはできません。

例えば、一般的な歯ブラシには、かため・ふつう・やわらかめの3段階のかたさのものがあります。「“ふつう”の歯ブラシを使っていたが、歯ブラシの傷みが早いので“かため”を使いたい」という人の場合で考えてみましょう。歯ブラシの傷みが早いということは、この方は歯磨きの際に力を入れすぎている可能性があります。強い力で歯磨きをしている人が“かため”の歯ブラシを使うと、歯を傷つける恐れがあります。そのため、この場合は“かため”の歯ブラシはおすすめできません。

また、歯ブラシには、かたさだけでなく、さまざまな大きさのものがあります。骨格の形や歯並びによっては、大きめの歯ブラシを使うと奥歯の方や細かい部分まで磨けないということもあります。このような場合には、小さめの歯ブラシを選ぶ方が良いといえます。

このように、歯ブラシはその人に合うものを選ぶことが大切です。自分がどのような歯ブラシを使うと良いかを知りたいときは、ぜひ歯科医に相談してみてください。

(取材・文:imarina)

プロフィール
片桐 健史(カタギリ タケシ)
1983年福井県生まれ。
日本大学松戸歯学部卒業後、同大学の顎顔面外科で歯科医として勤務。
2017年より、片桐歯科医院に勤務し、虫歯や歯周病の治療や予防歯科に力を入れている。

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