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自宅で仕事ができる「テレワーク」で、派遣社員の活躍の場が広がる!

「テレワーク」という働き方をご存じでしょうか。これは、パソコンなどの情報通信技術を使って会社以外の場所で仕事をする、時間を有効活用した就業方法です。新たな働き方のひとつとして浸透しつつありますが、実は昨今、この働き方を派遣社員にも適用する企業が出てきています。今回は株式会社テレワークマネジメント代表の田澤由利さんに、テレワークでの働き方と、派遣社員におけるテレワークの今後について、うかがいました。

テレワークとはどんな人が、どんな働き方をすること?

最近、テレビや新聞で見かける「テレワーク」という言葉、「テレ」には「離れた」という意味があり、「離れた場所で働く」という造語です。
「本来仕事をする場所」であるオフィスやお店などから離れた、自宅やカフェ、移動中の新幹線でも、パソコンやスマホなどのICT(情報通信)機器を活用して仕事をすることができます。決まった時間、決まった場所ではなくとも仕事ができる、柔軟な働き方です。
テレワークで仕事ができれば、毎朝、満員電車でストレスを感じるようなこともなく、子育て中だからと働く時間が短くなったり、仕事内容が制限されたりすることもありません。パートナーの転勤があっても仕事を辞めずに働き続けることができます。また、病気の治療中でも無理のない範囲で仕事が継続でき、親の介護のために会社を退職しなければならないということも避けられます。

テレワークにはさまざまな形態がある

テレワークにはさまざまな形態があり、会社に勤める人の「雇用型」と、フリーランスなど自営で働く人の「自営型」に分けることができます。また、移動しやすい状況の人がカフェなどで仕事をする「モバイル型」と、外出しにくい状況にある人の「在宅型」があります。
図のように、さまざまな状況の人が、テレワークで働くことが可能です。特に、育児や家事をしつつ、仕事と上手に両立したいと思う女性にとって、「在宅勤務」は気になる働き方でしょう。
国が「働き方改革」を進める中、テレワークを導入する企業が増えてきました。最近ではIT関連企業だけでなく、製造業や金融業、小売業、さらには自治体まで、さまざまな職場で、在宅勤務やモバイル勤務ができるようになってきています。

これから先、派遣社員でもテレワークが可能になる?

数としては、まだ少ないのが実情ですが、テレワークによる派遣事業を実施する派遣業者や、派遣社員のテレワークを認める企業も増えつつあります。今後、制度やテレワークできるICT環境が整備されていくにつれ、市場は膨らむことが予想されます。一方で、派遣社員のテレワーク導入の課題としては、以下の点が考えられます。

●派遣元企業と派遣先企業の両方がテレワークを理解し、必要な制度やルールを整える必要がある
●派遣元企業は、派遣社員への指示系統の構築やテレワークに対応した契約が必要となる
●派遣社員に対して、テレワーク時の時間管理や安全衛生管理の対策が必要となる

とはいえ、派遣社員にテレワークが導入されれば、勤務日数や時間、就業場所など、派遣という働き方の中でもより柔軟な勤務形態が可能となります。派遣元企業にとっても、優秀な人材を確保しやすくなり、派遣先企業の細かなニーズに応えることができるようになるでしょう。また、派遣先企業においては、派遣社員の机や設備の設置が不要ですし、フレキシブルな勤務時間の調整によって、経営の効率化も期待できます。派遣社員、派遣元企業、派遣先企業、三者にメリットのあるこの働き方は、今後、人材活用の方法のひとつとして、さらに広がっていく可能性があります。

日本の企業はなぜテレワークを進めようとしているのか

「企業はどうしてテレワークを進めているの?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。日本は、長く続いた少子化のため、これから「働く世代」の人口がどんどん減っていきます。そんな中、国の働き方改革においては「長時間労働の是正」をしようと法律を変えることになりました。企業は、限られた人材を活用して、これまでより短い時間で生産性を高めていく必要があります。そこで、より多くの人が働くことができ、かつ、効率よく業務ができる「テレワーク」の採用に、真剣に取り組み始めたのです。
「毎日、朝早くから、夜遅くまで会社にいないといけない」という時代は終わりを告げ、今後の働き方は変わっていくことでしょう。みなさんも、これからますます広がりを見せるであろう柔軟な働き方「テレワーク」を視野に入れ、新しい働き方を考えてみませんか。


記事執筆:田澤由利
株式会社テレワークマネジメント代表取締役 (兼 株式会社ワイズスタッフ代表取締役)。
北海道在住。1998年全国各地に在住するスタッフ(業務委託)とチームで業務を遂行する (株)ワイズスタッフを設立。2008年にはテレワークに関するコンサルティング会社、(株)テレワークマネジメントを設立し、企業等へのテレワーク導入支援や、国や自治体の普及事業等を広く実施。内閣府 政策コメンテーターなども務める。平成28年度「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰」個人賞を受賞。

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