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私らしく働くために。顔合わせで、派遣先を見極めるポイント

働き始めてから「思っていた職場と違った」と気づくのは、とても残念なことです。できれば働き始める前に、本当に自分にマッチする職場かどうかを見極めたいものですよね。
そこで今回は、天職コンサルタントの梅田幸子さんの著書『あなたが「一番輝く」仕事を見つける最強の自己分析』と『はじめての転職100問100答』をもとに、顔合わせで派遣先を見極めるポイントをお伝えします。

まずは「自分が喜びを感じられることは何か」「自分の特性」を知ること

派遣先を見極める前に、まずは自己理解を深めることが大切です。あなた自身、どんな仕事をすることに喜びを感じるのか、どんな特性を持っているのか。それらをしっかり自己分析することから始めましょう。

■「どんな仕事に喜びを感じられるか」を探すポイント

たとえば、同じサッカー好きでも、新しい技をマスターすることに喜びを感じる人もいれば、チームメンバーと一体感が得られることに喜びを感じる人もいます。前者は新しい技術を身に付けられる仕事に喜びを感じるでしょうし、後者は仲間と団結して働くことに喜びを感じるでしょう。このように、喜びを感じる理由は人それぞれですから、同じ仕事であっても、楽しめる人と、そうでない人がいるのです。

つまり、自分が喜びを感じられる仕事を知るためには、あなたの心が喜びを感じる理由を探っていくことがポイントです。その方法として、過去に「心が喜んだこと」を書き出し、その理由について考えてみるのがおすすめです。たとえば「旅が楽しかった」と感じたのであれば、「なぜ?」と自分に問いかけてみます。すると「友だちに『この宿で、この値段はお得!』と、自分が選んだ宿を喜んでもらえたから」というように、何かしら喜びを感じた理由が見つかると思います。

それをさらに「なぜ?なぜ?」と深掘りしていくうちに、「期待以上の何かを人に提供すること」「旅のような無形の商品で、自分で試行錯誤をしながら作り上げること」というように、自分の心が喜ぶ仕事のヒントが見えてくると思います。

■「仕事に活かせる自分の特性」を探すポイント

特性とは、幼少期から形成された「得意な行動パターンや考え方」のことです。たとえば同じ医師でも、技術力を高め、冷静に課題解決を図ろうとする医師もいれば、患者さんの話をじっくり聞いて、心のケアを丁寧に行う医師もいます。特性は仕事のやり方に直結しますが、意識的に変えることは容易ではありません。そのため、自分の特性に合わない仕事では自分自身のよさが活かしきれず、成果を出しづらい状況となってしまう場合もあります。

自分の特性を知る自己分析方法のひとつとして、自分が集団の中で「どんな役割」を「どのように担っているか」を振り返る、というものがあります。「役割」自体は重要ではなく、「どのように」を分析することがポイントです。まずは「どのようなタイプの○○(役割)か」と、「具体的な自分の言動」を書き出していきましょう。そこに出てきた「自然にとるような行動や、考え方」があなたの特性です。それを活かすことができれば、仕事は無理なくうまくいくはずです。

ちなみに特性の中には、使うと喜びを感じる特性と、ストレスを感じる特性があります。発揮している、まさにその瞬間に喜びを感じられるものが「心が喜ぶ特性」です。仕事を選ぶ際は「心が喜ぶ特性」が活かせるかどうかを重視しましょう。

ただ、たとえ心が喜び、特性が活かせる仕事であったとしても、苦手で耐えられないことが多い仕事は長続きしない傾向にあるようです。苦手で耐えられないこととしては、「労働時間」「人間関係」「職場環境」「属している組織への誇りの有無」「社長への共感の有無」「お金」「評価」といったものが、致命的な原因になりがちです。あなたにとって、耐えられないことは何でしょうか?事前に把握しておくようにしましょう。

派遣先を見極めるポイント

喜びを感じ、特性を活かせる仕事がどんなものかわかったら、紹介された企業がそれを実現できる場所なのかどうかを見極めましょう。派遣先との顔合わせでは、これまで経験した仕事内容などを聞かれることが予想されます。その際に、してきたことの説明をしながら、仕事の何に喜びを感じたか、自分にどんな特性があるのかを伝えてみましょう。それに対し「弊社の仕事は、あなたの希望に合いそうです」「少し違うかもしれません」といった言葉が企業側から聞ければ好都合です。ですが、必ずしも企業側が本音を言ってくれるとは限りません。その場合は、次のような方法で見極めていきましょう。

■その①:企業担当者の情報を鵜呑みにしない

「企業担当者は会社のいいことしか言わない」「実際に入ってみたら、言っていたことと違った」といった声も聞きますが、それは、企業側がいいことしか言わないのではなく、あなたに「よく聞こえる」表現をしているのです。

重要なのは、「よく聞こえる」情報の中から事実を読み取り、自分はどう感じるのかを考えること。たとえば、企業担当者が次のような出来事を話したとします。
「商品の販売直前に、工場で技術的な欠陥が見つかり、関係者が会社に泊まり込んで欠陥の修正を行った。なんとか間に合って商品のキャンペーンは大成功! みんなで抱き合って泣き、最大の達成感とやりがいを感じた」
これを聞いて、あなたはどう思いましたか? 同じようにやりがいを感じられるでしょうか? もし「会社に泊まり込むなんて嫌だ」「抱き合って泣くなんて、暑苦しい」と感じるなら、その企業はあなたにマッチしていない可能性があります。

また、「オフィスはおしゃれな一軒家で、ランチは社員が交代で作っている」とアピールしている企業があったとします。それに対し、「アットホームで素敵!」と思えたら、あなたにマッチする企業である可能性が高いですし、「ランチを手作りするなんて面倒くさい!」と思ったら、マッチしない可能性が高いでしょう。

後述の例は、実際に求人票に記載されていた情報です。公開されている情報からも、その企業がマッチするかどうかを読み取ることは可能なのです。

逆に企業側がマイナスに話すことに対し、あなたがそれほどマイナスだと感じない場合もあります。たとえば「中には理不尽なクレームもありますが大丈夫ですか?」「ノルマが厳しいかもしれませんが、大丈夫ですか?」と言われたとしても、実際、あなたにとっては、たいしたクレームやノルマではないかもしれません。言葉のマイナスな印象に引っ張られずに、どんな内容のクレームなのか、ノルマはどれくらいなのか、具体的に聞いてから判断しましょう。

■その②:職場を見せてもらう

顔合わせでは、希望すれば職場を見学させてもらうことが可能です。身内同士のやり取りにこそ、職場の人間関係が表れます。ぜひ、職場の人たちが、どんなやり取りをしているのか観察してみましょう。もし顔合わせの際に、企業担当者が2人以上いる場合は、そのやり取りを見るのも手です。あなたにとって馴染みやすい雰囲気でしょうか?

また、見学で感じたことは、できるだけ言葉にしてみましょう。たとえば、社員とすれ違ったとき、来客であるあなたに対し挨拶が好印象だったら、「皆さん、気持ちよい挨拶をしてくださいますね。会社全体で努力をなさっているんですか?」と尋ねてみましょう。もしかしたら「社長が体育会系出身で、挨拶にはこだわりがあるんですよ。上下関係には比較的厳しい会社かもしれませんね」といった回答が返ってくるかもしれません。また、「とくに何もしていません」という回答なら、社交的でフレンドリーな人が多い職場かもしれません。

他には、観葉植物にほこりもなくキレイ、会議室や廊下がピカピカに整えられていると感じたら、感動を伝えてみましょう。その回答が「部長がきれい好きで、自ら率先して片付けています」なのか、「新入社員の仕事なんです」なのか、「気付いた人がやるようにしています」なのか、「全員で毎朝30分環境整備をしているんです」なのかによって、職場の雰囲気がだいぶ違うことが読み取れます。

このように、職場見学ではあなたが感じたことを言葉にしてみると、企業側に新しい情報を話してもらえる確率がアップするでしょう。

■その③:具体例を交えて質問する

聞きにくいけれど、知っておきたい情報は、自分から具体例を出して聞くのがコツです。
たとえば、残業時間について知りたいとき、「残業時間はどのくらいですか?」と抽象的に聞いても「人や時期によって違うので、一概には言えません」といった回答が返ってきてしまう可能性があります。それよりも「子どものお迎えがあるため、残業は○時までにしたいのですが、可能ですか?」といったように、自己開示をして、具体的に聞くほうが情報を引き出せます。

また、飲み会などについて質問するときも「資格の勉強をしているので、業務時間外の社内行事にはあまり参加できないのですが、どれくらいの頻度で開催されますか? 参加は自由ですか?」と聞いてみるのがいいでしょう。

評価のされ方が気になる場合は、前述で自己分析した結果を盛り込み「私は仕事にじっくり正確に取り組むタイプなのですが、それよりもスピード感が重視されますか?」と聞いたり、「私は人と協力して、一緒にやり遂げることに喜びを感じるのですが、個人で仕事をするほうが多いですか?」と聞いたりすると、企業側も答えやすいでしょう。

まとめ

派遣先との顔合わせを、企業から見定められる場だと感じている人もいるかもしれませんが、働く側にとって自分自身の目線で企業側を見極める場でもあります。ぜひ、あなたらしく幸せを感じながら働ける職場を探し出してみてください。

※この記事は2017年12月時点での情報です。


記事監修:梅田幸子
天職コンサルタント
著書は『あなたが「一番輝く」仕事を見つける最強の自己分析』『はじめての転職100問100答』など6冊。「喜びの源泉」「強みとなる特性」「ストレス・苦手」の分析と、「したいことがわかる」「言いたいことを伝えられる」身体に育てるワークで、人それぞれにあった天職を生きるサポートをする。就職転職で面接を受ける人には、人事採用部門での、面接・採用企画の経験をもとに、嘘をつかない効果的なアピール法をアドバイス。
ブログは天職で輝く「幸せキャリア」の新常識https://ameblo.jp/11oya/

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