派遣を学ぶ

派遣の悩みやトラブルに対応!知っておきたい3つの相談先

社会で働く以上、どんな人にでも悩みのひとつやふたつはあるもの。もちろん、派遣社員として働く人も同じです。人間関係に関する悩みや職場環境に関する悩み、さらには聞いていた仕事内容と違う、というような契約上のアンマッチから起こる悩みなど、さまざまでしょう。

派遣社員として働くうえでの相談先は大きく分けて3つあります。それは、派遣元企業・派遣先企業・公的機関です。内容によって相談先は異なりますが、どんなときにどこに相談すればよいのかは知っておきたいもの。今回は、社会保険労務士・税理士・司法書士の3つの顔をもつ渋田貴正さんにお話を聞きました。

仕事上の悩みはまず派遣元企業へ。営業担当者以外に苦情処理担当者も

派遣社員が仕事上の悩みを相談するのに、真っ先に思い浮かぶのは、派遣元企業でしょう。特に営業担当者は、当初からやり取りをしていて話しやすいということもありますし、何かあればまず相談する、という人も多いと思います。

ですが、営業担当者への相談は、派遣先企業での悩みの早期解決につながらないこともあるかもしれません。なぜなら、営業担当者にとっては、派遣先企業はお客様です。派遣社員の悩みを聞いて、派遣先企業にそれを伝えてくれても、改善を強く求めるのは営業の立場からは、ときに難しいことも考えられます。

派遣元企業に悩みを相談する場合には、苦情処理担当者に連絡するという手もあります。労働者派遣契約を結ぶ際、派遣元企業は、派遣労働者との間で、派遣される業務の内容について記載した「就業条件明示書」という書類を取り交わすことが義務付けられています。その中には、派遣元企業の苦情処理担当者の氏名や電話番号が記載されています。苦情処理担当者は基本的に派遣先企業と密にやり取りをすることがないため、客観的な立場から苦情処理にあたってくれます。

ただしこのときにも、営業担当者にもひと言その旨を伝えておいたほうがよいでしょう。いきなり苦情処理担当者に連絡することで、営業担当者との関係が険悪になる可能性もありますし、場合によっては苦情処理担当者よりも早く、解決に動いてくれるかもしれません。

仕事そのものについての相談は派遣先企業へ

派遣先企業に直接悩みを伝えるという手もあります。私自身、新卒の会社を半年で退職し、その後1年半ほど派遣で仕事をしていましたが、当時、業務を行う上での悩みは、派遣されていた部署の課長に相談していました。

就業条件明示書には、派遣元企業と同様に派遣先企業の苦情処理担当者の氏名や電話番号も記載されていますが、派遣される部署の責任者が兼任しているケースが多いと思います。長期的に派遣社員を受け入れている部署であれば、派遣社員が抱える悩みについても理解を示し、親身に対応してくれることもあります。業務の割り振りなど、仕事そのものについての相談は、実際に業務を行っている派遣先企業に直接伝えたほうが、早く解決することが多いでしょう。

もちろん前述のように、派遣先部署の受け入れ体制にもよりますので、相談しづらいこともあるかもしれません。特に人間関係の悩みの場合、業務に直接支障が出て逆効果になってしまうことも。派遣労働者が、派遣元企業・派遣先企業に相談や苦情を入れたことで、派遣労働者に対して不利益な扱いをしてはいけないということは、国の指針(法律ではない)で示されていますが、徹底されるのは難しいというのが現状です。

業務の割り振りなど仕事そのものに関する相談は、派遣先企業の苦情処理担当者にするのが解決しやすいでしょう。そして、当初伝えられていた業務内容や就業時間が実際は違っていたなどの待遇・勤務条件に関わることや、人間関係の悩みについては、まずは派遣元企業の営業担当者に話してみて、それで解決が難しそうなら、派遣元企業の苦情処理担当者に話すのがよいでしょう。

それでも解決しなさそうなら公的な相談窓口を利用するのもひとつの手

派遣元・派遣先企業、双方に相談しても解決しなさそうな場合には、各都道府県や労働局に設置されている労働相談センターに相談することもできます。

このような公的機関においては、主に賃金不払いや不当解雇、職場の人間関係やメンタルヘルスなどについての悩みを聞いてくれます。税金で運営される公的な機関ですので、扱うのは主に社会問題になりうるようなケースが多く、細かい悩みなどについては、十分に対応してもらえない場合も考えられます。

たとえば、当初聞いていた業務内容と実際の業務内容が違っている、などの派遣元企業と派遣先企業との契約についての問題は、どちらかといえば「当事者である派遣元企業と派遣先企業間で解決すべき問題」と考えます。

公的機関だから何でも解決してくれるというわけではないので、「どうしても解決できない場合の最後の相談先」くらいに思っておくのがよいでしょう。

まとめ

派遣社員として仕事をする上で、正社員とは違う悩みを抱えることがあると思います。抱えている悩みはどこに相談すべきものか、相談窓口を知っておくとともに、悩みを解決するために自分自身でできることを模索するというのも大切です。

※この記事は2018年1月時点での情報です。


記事監修:渋田貴正
社会保険労務士法人V-Spirits社員社会保険労務士
税理士法人V-Spirits社員税理士
司法書士事務所V-Spirits代表司法書士
社会保険労務士・税理士・司法書士という資格をフルに活かして、日々クライアントの税務・労務の問題解決を行っている。ファミリーレストランの調理リーダー・工場でのライン業務・派遣社員・外資系での会社員など専門家以外の経歴も幅広い。All About企業経営のサポートガイド。

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