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自分を取り囲むお金の問題!「マネーパズル®」で明確に

貯金とか資産運用とか、もちろん興味はあるけれど、余裕がある人が考えるもの。今の私にはあまり関係ないかな……そんなふうに思っている人、多いのではないでしょうか。

しかし、「マネープランは、実は資産がない若い頃からのお金に対する意識が大事。早くから学ぶことで将来の不安をなくすことができるんです」と話すのは『30歳からはじめる一生お金に困らない蓄財術』などの著者で、株式会社クレア・ライフ・パートナーズ代表の工藤将太郎さん。そこで、20、30代から知っておきたいお金のあれこれを教えてもらいました。

まずは世の中の「お金」を取り巻く状況を知ろう

まだ先の話とはいえ、20、30代が定年を迎える頃には、今の高齢者と同じような水準で年金をもらうのが難しいことは、みなさん何となく気づいていることでしょう。雇用形態によっては退職金もあてにできませんし、結局のところ「自分の将来は自分で守ろう」という方向に動いています。
しかし、ほとんどの人が「効率のよい蓄財術」を知らないのが現状です。

自分の「お金の問題」を可視化し、マネープランを考えよう

人生にはまとまったお金が必要な局面がたびたび訪れます。なるべく早い段階から、そのお金をどうやって工面するかを考えておきたいもの。その準備のためには、ただ漠然と心配しているだけでなく、「何のために」「いくら」必要なのかをはっきり整理することが大切です。そこで役立つのが、「効率のよい蓄財術」を知るため、自分の「お金の問題」を明確にする「マネーパズル®」。9つのマスからできていて、ひとつひとつが、「将来の不安要素になり得るお金」「何らかの対策をしておくべきお金の問題」を表しています。まずはパズルに入れる9つのお金の問題の洗い出しからやってみましょう。

●マネーパズル®のイメージ

お金の問題は人それぞれ違いますが、基本的な項目として次のことが考えられます。

① 死亡に対する備え
② 病気やケガ 医療に対する備え
③ 介護・身体障害など 就労不能への備え
④ 夢や目標への準備
⑤ 老後の備え
⑥ 事故や災害など 損害に対する備え
⑦ 子どもに関する必要資金
⑧ 税金対策
⑨ 緊急予備資金

ここでポイントとなるのが「夢や目標への準備」という項目。お金の問題というと、心配ごとばかりを並べがちですが、ぜひ実現したいことも挙げて、ライフプランに入れましょう。具体的に夢を描いて、そのためにお金を用意しようと考えると、日々のモチベーションが違うはずです。

自分を取り囲むお金の問題が明確になったら、それぞれのマスの問題に対する資金計画をどうしていくか、つまり、パズルのマスをどうやって埋めるかを考えていきましょう。すぐにすべてのマスが埋まらなくても大丈夫。たとえば、若くて介護のことまではまだ考えられないというなら、とりあえずそのマスは空けておきましょう。まずはお金の問題を「可視化」して、不安要素を目の当たりにすることが大切なのです。

さまざまな投資情報から、一歩進んだ蓄財法を知ろう

マネーパズル®でお金の問題が「可視化」できたら、それぞれの問題を解消する蓄財法を考えていきます。実際にマネープランニングを行う際には、保険や債券、株式など相談者の状況に応じて金融商品を提案することになります。中でもパズルのマスを埋める方法として、日本人の大半が思いつくのが保険。ですが、保険料が高くつきすぎるというデメリットがあり、そこは注意が必要です。

マネープランニングの例として、実際のケースを簡単に見てみましょう。

<派遣社員の女性Aさんのケース>
都内で親とともに実家住まい。独身30歳女性。年収はおよそ380万円、貯蓄は100万円ほど。医療保険(月額2,000円ほど)に加入。

この女性の場合、「もう結婚しないかも。このままじゃ老後が心配。親の介護も考えないといけないかな」という不安材料があります。また、「将来のために資産を増やしたい。不動産投資には少し興味あり」という本人の意向から、次のプランニングを行いました。

このケースでは、最初に取り組みたいこととして、家計の見直しをアドバイス。Aさんは月5万円を貯蓄として確保しました。また、年収と雇用形態に見合った不動産投資をおすすめしました。Aさんは中古のワンルームマンション(500万円)を購入し、将来的にそこに住むことも考えています。また、保険料が安く運用性のある変額終身保険への加入も検討するよう助言しました。Aさんは変額終身保険に加入、代わりに医療保険を解約しました。

※不動産投資は、空室、金利上昇、資産価値下落、管理費・修繕積立金上昇、震災、管理会社倒産など、「リスク」を考慮した上、本人が許容できたことからスタートしています。

<プランニングを行った後の状況>
・貯蓄80万円(不動産投資の諸費用を支払った残額)
・500万円のワンルームマンションを1件所有
・変額終身保険に加入、代わりに医療保険を解約
・不動産投資で毎月2,000円(家賃収入 - ローン支払い)の収入増。年間で2万4,000円の貯蓄増
・家計の見直しで、毎月貯蓄5万円を確保。年間で60万円の貯蓄増

<マネーパズル®を埋める対策と投資状況>
① 死亡に対する備え
⇒【不動産投資】死亡時500万円の物件が遺族に残され、家賃収入が得られる
② 病気やケガ 医療に対する備え
⇒【貯蓄】80万円と【変額終身保険】でいざというときに備える
③ 介護・身体障害など 就労不能への備え
⇒【貯蓄】80万円と【変額終身保険】でいざというときに備える
④ 夢や目標への準備
⇒【不動産投資】月2,000円のプチ収入 家計見直しで月5万円の貯蓄
⑤ 老後の備え
⇒【不動産投資】ローン返済後にそのまま住む【変額終身保険】でいざというときに備える
⑥ 事故や災害など 損害に対する備え
⇒ 今回は対策なし
⑦ 子どもに関する必要資金
⇒ 今回は対策なし
⑧ 税金対策
⇒【不動産投資】所得税・住民税の節税
⑨ 緊急予備資金
⇒【貯蓄】80万円【不動産投資】最大500万円の売却益 家計見直しで月5万円の貯蓄

<効果>
・死亡時には、500万円の物件が遺族に残され、家賃収入と積立が生活費に
・急な入院や介護などに備えて、医療保険の代わりに変額終身保険に加入
・不動産のローン返済後は、自分で住み続けることも検討
・実家暮らしのため月5万円の貯蓄を目標に、将来の備えとする

パズルを埋める対策が空欄になっている⑥⑦は、Aさんのプランニングでは、優先度が高くなかったため、今回、具体的な対策をとらなかった問題です。Aさんにアドバイスしたように、不動産投資はしっかりと情報を吟味して活用すれば、マネーパズル®のマスを埋めるオールラウンドプレーヤーともいうべき存在。短期的な投機ではなく、資産として保有し、数千万の死亡保障代わりになってくれるうえ、家賃収入で老後の生活費を補完してくれるというイメージです。

また、今回Aさんが加入した変額終身保険は、運用の成果によって保険金額が増減する商品で、一般的な終身保険に比べて保険料が安くなるという特徴があります。ただし、途中で解約した場合の解約返戻金については、最低保証がないので注意が必要です。普段あまり保険はすすめませんが、Aさんのように老後や介護の不安を持っている場合は、長期的な視野で加入するのもよいでしょう。

もう少しリスクをとって投資にチャレンジしたい、という希望がある人の場合、海外投資も視野に入れることをおすすめしています。マネーパズル®のマスに当てはめて考えると、「死亡に対する備え」「夢や目標への準備」「老後の備え」「税金対策」などの資金として有効と考えられます。海外投資は、海外の金融機関を通じて海外の金融商品を購入するもの。日本で運用しても利息がつかなくてもったいないと感じる資産を運用して、「お金に働いてもらう」という意味でおすすめです。もちろんリスクもあるので、しっかりした相談相手を選ぶことが大切なのは言うまでもありません。

いずれにしても、自分の時間がたっぷりある若いうちに、こういった金融商品の情報を知り、本気で考えていくという姿勢が、将来の財産に小さくはない差を生むことになるでしょう。早く始めればそれだけたくさんのお金が、将来的にあなたのところへ戻ってくることにつながるのです。

まずは自分のお金の動きを把握して、貯まる仕組みを自動化

人生でまとまったお金が必要になる局面をパズルのマスに当てはめて「可視化」して、それぞれのマスをどうやって埋めていくか整理しながら対策を立てる。これが未来をよりよくする蓄財法の極意です。もちろん、自分なりのライフプランを考えてみたり、プロに相談したりするのも有効ですが、将来のために今日からできることとして、自分のお金の使い方をきちんと把握することから始めてみましょう。スマホの家計簿アプリなどで管理するのもいいのですが、細かくつけることにこだわる必要はありません。年間でお金の動きがわかることと、お金を使うときに「これは浪費・消費・投資のどれかな?」と意識する程度で十分です。

さらに、おすすめなのが「自動貯蓄」の仕組みを作ること。毎月の給料やボーナスが入ったら、使う前に決まった額を別の口座に移してしまうのです。ほとんどの金融機関には「自動送金」というサービスがありますから、自分で決めた額が給料日に自動で別の口座に振り込まれるように設定しておけばOK。

それぞれの経済状況により、貯蓄に回すべき割合は違うので、一概には言えませんが、最初の仕組み作りの際には、月収の1割程度から始めてみるといいでしょう。

まとめ

みなさんは、何のためにお金を貯めているのか、考えたことがありますか? 「何となく将来が不安で」「この先の人生がどうなるかわからないからとりあえず」と、いつの間にか「お金を貯める」こと自体が目的になってしまっている人が多いかもしれません。
お金は将来の明確な目的のため、あなたが楽しいと思うことのために貯めればよいのです。そして、1日でも早くそのことに気づいて、知識を備え、お金を貯めることを楽しみましょう。

※投資には元本保証および利回り保証のいずれもなく、元本割れが生じるリスクがあります。商品の特徴を十分ご理解のうえ、ご購入ください。
※この記事は2018年1月時点での情報です。


記事監修 工藤将太郎
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ
2012年に設立。お金に関するあらゆる相談に乗ってくれる会社。20代から資産運用を始め、紆余曲折を経て会社を設立したという経験から、若い世代からの相談を多く受けている。クレア・ライフ・パートナーズでは、マネーパズル®を基に、相談者のライフプランを描くところから、数か月かけて問題点を洗い出す、ハイブリッドプランニング®というオリジナルの資産形成サービスを提供している。保険、不動産というような特定の金融商品の斡旋にとどまらず、お金にまつわるさまざまな相談ができるほか、ワンストップで手続きまで行う。契約期間中は細かなことでも、担当者にメールやLINE、電話などで質問してOKというのも心強い。参考
『30歳からはじめる一生お金に困らない蓄財術』(幻冬舎) 工藤将太郎
『入社1年目から差がついていた! お金が貯まる人は何が違うのか?』(すばる舎リンケージ) 工藤将太郎

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