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人のしぐさを心理学的に解説!社内で心が丸裸に!?

「無意識のしぐさはその人の心を表す」ということをご存じですか? 人のしぐさを見て、相手の心を感じ取ることができれば、自分も臨機応変に対応できるようになります。逆にいうと、自分の心の状態が乱れている場合、それがしぐさに表れて他人に不快な思いをさせてしまうこともあるのです。

今回は、心理カウンセラーの小高千枝さんに、「職場でよく見かけるしぐさ」や「無意識にやりがちなしぐさ」を心理学的な側面から解説してもらい、対応策を聞きました。人のしぐさから心の声を感じ取って、職場での円滑なコミュニケーションに役立てましょう。

しぐさは無意識にその人の心を映し出す

人の心というのは、しぐさに表れます。あなたが話をするとき、伝えたいと思っている内容の8~9割は、しぐさや表情、話すテンポや声色など、言葉以外の情報から伝わるといわれています。つまり、人は会話をするとき、言葉以外のメッセージから多くのことを受け取り、何かを感じたり、判断したりして自分なりに解釈しているのです。

そのため、心で感じていることが無意識のうちにしぐさに表れ、相手を不快にさせていた! なんてことが今までにもあったかもしれません。自分でも気づいていなかった無意識のしぐさを自覚することで、自分自身をコントロールできるようになり、人との距離感や関係性にもいい変化が生まれ、コミュニケーションを豊かにすることができるようになります。

仕事中に要チェック!「しぐさでわかるあの人の心理」

職場の上司、同僚や後輩。「今、この人はどう思っているのだろう」と、考えることはありませんか? そんなときはその人のしぐさに注目してみてください。心が表れているかもしれません。相手の心がわかれば、自分も臨機応変に立ち回ることができます。まずは、職場でよく見るしぐさとその意味を紹介しましょう。

①肩ひじをたてて、あごをさする上司
会議中に目の前の上司が肩ひじをたてて、あごをさすっていたら、その上司は会議の内容に合意してはいるものの、同時に警戒心を抱き、防御する姿勢をとっていることを意味します。相反する気持ちがせめぎあっていることを示しているのです。さらに脇がしまっていたり、手で体の一部に触れる自己親密行動(不安を解消するために自分に触れ、親和欲求を満たそうとする行動)をしていたら、警戒度はかなり高めです。

この場合、どんなに上司が笑顔でうなずいていたとしても、何かに対して心から納得できていない可能性があります。腕組みなど、上司の自己親密行動がとけてきたら、思い切って不安要素を聞いてみるといいでしょう。ただし、しぐさばかりを気にしてしまい、大切な会議に身が入らない状態にならないように気をつけましょう。

②窓に映る自分を確認する同僚
ランチ中、同僚が窓に映る自分ばかりを見ていたら、その同僚は公的自己意識(他人にどう見られているかという意識)が強い傾向にあるかもしれません。一見、自分の美しさの確認作業のようにも見えますが、心の根底では他者評価を気にしている、自信の無さの表れの可能性があります。

そういう同僚に対しては、その人の「個」としてのよさを伝えてあげるといいでしょう。同僚自身が私的自己意識(自分自身の感情や価値観に向けられる意識)を大切にし、自分がいいと思ったもの、自分らしさを受容し“自分軸”を大切にできる感覚をもてるようになることが必要です。自己承認ができるようになると自尊心が高まり、自信がもてるようになります。

③話しながら鼻や髪の毛をいじる後輩
後輩から相談を受け、真剣に話を聞いていたものの、緊張しているのか瞬きが多く、鼻に触れたり、髪の毛をいじったり落ち着きません。その上、話があちこちに飛んで何を相談したいのかわからない状態。そんなときは、腹を立てずに一度話を整理してあげましょう。話が飛ぶ人は決して、話がまとまっていないわけではありません。頭の中で矢継ぎ早に発想が展開しているため、全てを言葉にできていないだけなのです。

まずは、落ち着いて話ができる環境で一呼吸。緊張を和らげてあげてから、一つひとつを整理し、順序立てて話を進めるよう、アドバイスをしてあげてください。また、気持ちのビジュアル化として箇条書きにしたり、図を紙に書き出したりするなど、心の中を形として見えるようにしてみると、より頭と心の中が整理され、問題の本質が見えてきます。

自分のしぐさも客観的に見て確認を!

先輩から注意やアドバイスを受けているとき、ありがたい言葉をいただいていることはわかっていても、緊張からついソワソワしてしまったり、瞬きの回数が多くなったりすることはありませんか? すると、相手は「ちゃんと聞いていないな」と受け取り、あなたのしぐさが不快感を与えてしまうことも。また、注意されたことで反発心が芽生えると、瞬きがゆっくりになって、相手は「拒絶された」と抵抗感を抱くことがあるかもしれません。

「目は口ほどに物を言う」ということわざがあるように、感情は目に表れます。瞬きや目の動きであなたの感情が相手に伝わりますので、物事をネガティブに捉えがちな人は、その場に応じた立場や役割を認識し、できるだけ前向きな物の見方をするようにしましょう。注意やアドバイスを受けたときの感情は自分を奮い立たせるきっかけにもなります。不安や不満だけで終わらせるのではなく、いい意味での緊張感として捉え、次のステップに進むための刺激として受け取ってみてください。

その他にも、たとえば、終業時間30分前に上司から急な仕事を振られたとき、「はいはい! わかりました!」と何度も返事をしたり、うなずきが多くなったりしてはいませんか? これを「やる気のある頼もしい部下だと見てもらえる」と思っていたら要注意です。

実は、過度な返事やうなずきは、自分の存在価値の主張や相手を拒否する意味として伝わってしまうことがあるのです。過度なしぐさは真逆のメッセージとして受け取られ、あなたが「終業前で気持ちが焦っている」、「面倒な仕事を押し付けてきたと思っている」と勘違いされてしまうかもしれません。元気があるのはいいのですが、どんなときでも落ち着いて、ゆっくりうなずき、冷静な言葉で返事をするよう心がけましょう。

まとめ

人はコミュニケーションをとるとき、言葉以外のメッセージ、しぐさや表情、話すテンポや声色などから多くの情報を受け取り、感情を抱き、物事を判断します。そのため、無意識に心の状態や感情をしぐさを通して発信し、その気持ちが相手に伝わってしまうことがあるのです。無意識にしているしぐさを意識化することで、自分の心の状態を知るとともに、相手に対する感情や心の距離感も見えてきます。100%自分と合う人はいません。ただ、社会において心地よい人間関係を築くためには、自己理解を深め、セルフコントロールをし、自分と他人とが違うことを得心することが大切。そして、程よい心の距離感を見つけ、コミュニケーションが円滑になるよう、お互いに歩み寄れる関係を導き出しましょう。

※この記事は2018年1月時点での情報です。


記事執筆:小高千枝
株式会社エクラ・コフレ17 メンタルヘルスケア&マネジメントサロン代表。
サロンでの臨床をはじめ、企業顧問として従事。心理学、メンタルヘルスケア・マネジメントの必要性や大切さを伝える。明確な心理分析やメンタルトレーニングは多くの女性をはじめ、著名人からの支持もあつい。
日本テレビ「ナカイの窓」などマスコミ出演多数。主婦と生活社「心理カウンセラーが教える 本当の自分に目覚める体癖論」など著書多数。

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