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後任者が喜ぶ!「仕事の引き継ぎの基本」と「職種別ポイント」教えます

部署異動や担当替え、退職など、社会人にとって「仕事の引き継ぎ」は大事な業務のひとつ。でも、自分がわかっていることを、わかっていない人に伝えるのは意外と難しいものです。丁寧に引き継ぎをしたつもりでも、後任者にとってはわからないことだらけ……というのはよくある話。これでは引き継ぎをした人の評判も下がってしまいます。後任者が困らないようにするには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

今回は「引き継ぎの3つの基本」の他、職種ごとにプラスしたい「引き継ぎのポイント」について、株式会社アップウェブ代表藤田尚弓さんに教えてもらいました。
 

【職種共通】引き継ぎに必要な3つの基本とは

まずは職種を問わず共通する、引き継ぎに必要な3つの基本を知っておきましょう。

① 後で確認できる資料を作る
仕事を実際にやって見せながら説明する。これはもっともスタンダードなやり方ですが、それだけでは後任者が後で困る可能性が高いといえるでしょう。「説明は受けたけれど、後日やってみたらわからないことだらけだった」というのは典型的な失敗例です。まずは後任者がひとりで仕事をするときに確認できる資料を作り、その後、それを見てもらいながら説明をする機会をもうけるのがよいでしょう。

「本人がメモをとればいいのでは?」と思うかもしれませんが、全体像がわからない人が教わりながら作るメモはどうしてもクオリティが低くなりがち。全体を俯瞰することができ、つまずきポイントも想定できる前任者が作ることをオススメします。

② 後任者が理解したことを確認して補足する
資料を作り、説明も終わった。でも、本当に後任者は内容を理解して再現できるでしょうか?「わからないところはある?」と質問をしても、教わったばかりのタイミングでは、わからないところに気づくこと自体が難しい状態です。これを解決するには、引き継いだ仕事を実際にやってもらって理解度を確認するのが一番。こうすることで引き継ぎの説明や、資料の抜けや漏れに気づくことができます。

③ 困ったときにどうすればよいか、わかるようにしておく

マニュアルどおりスムーズに仕事を進めることができればよいのですが、不慣れな人は思わぬところでミスをしがちです。間違った操作をしてしまった場合には、どのようにして元に戻すのか、わからないことがある場合は誰に聞けばよいのかなど、困ったときの対処法も引き継ぎ資料に加えておくとよいでしょう。これは後任者に優しいだけでなく、何度も電話やメールで質問される煩わしさを防止するという意味でもオススメです。
 

【職種別】引き継ぎのポイントとは 

次は、職種ごとにぜひプラスして引き継いでおきたいポイントについて紹介します。

① 営業編
営業職の場合、どんな取引先の誰と接点があったのかも引き継ぐ必要があります。面倒でも、どのようなやり取りがあったのかを簡単に残しておくほか、決裁権がある人、その会社独特のルールなど、知っている情報はできる限り伝えておくようにしましょう。営業担当としての信頼、そして会社の信頼のためにも、丁寧な情報共有はマスト。引き継ぎが終わってからも、取引先、後任者の両方をフォローするくらいの気持ちで取り組むことは、営業担当にとって見えない資産になることでしょう。

② 事務編
事務の引き継ぎはマニュアルを作ることである程度できてしまう反面、慣れている人が作ったマニュアルでは説明の抜け漏れがでやすいという欠点があります。
「マニュアルを見て仕事を進めようとしたが、大雑把過ぎてわからない」という失敗はよくあるケース。引き継ぐ項目の抜け漏れを防ぐためには、月間、年間のスケジュールに照らし合わせながら必要な仕事をピックアップするのがオススメです。○○がなくなった場合、××ができなかった場合など、後任者が困りそうな場面を想定し、対処法をしっかりと引き継ぎましょう。

③ 接客編
オフィス業務の引き継ぎは、まず資料を作ってから説明を行うのがオススメですが、接客の場合、OJT(現場実務を通した訓練)を先に行い、その後に引き継ぎ資料を作成したほうが効率的です。実際にやってもらうことによって、後任者が間違いやすい部分、迷いやすい部分などを確認できるほか、資料に残さなくてもよい部分が見つかることでしょう。急な異動や退職などで、引き継ぎに十分な時間をかけられないケースもあるかと思いますが、できる限り丁寧な引き継ぎをしておくことは、お客様からの信頼にもつながります。
 

まとめ

仕事を引き継ぐ場合、やはり後任者の立場に立って教えなければなりません。「これはわかるだろう」ではなく、1から伝えるくらいの丁寧なフォローを心がけましょう。まずは職種共通の「引き継ぎの基本3つ」をしっかりおさえておくことが大切。その後、職種別の引き継ぎポイントを実践してみてください。お互いが納得し、職場を気持ちよく去るための参考にしていただければ幸いです。

※この記事は2018年2月時点での情報です。
 

記事監修:藤田 尚弓(ふじた なおみ)
コミュニケーション研究家、株式会社アップウェブ代表取締役、早稲田大学オープンカレッジ講師、コラムニスト。
全国初の防犯専従事職として地方警察署で防犯のコミュニケーションデザインを担当。民間企業を経て、株式会社アップウェブの代表取締役に就任。ライフワークとして講師業に取り組んでおり、企業研修や大学などに講師として登壇している。法政大学大学院客員教授、スクールオブビジネス東京非常勤講師などを務め、現在は早稲田大学オープンカレッジで講師を務める。テレビでの解説、雑誌の監修などの実績多数。著書は「NOといえないあなたの気くばり交渉術」(ダイヤモンド社)他多数

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