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偉人の人生に触れる!生き方を学ぶ!一度は行きたい「人物系ミュージアム」6選

日本各地には歴史上の人物や偉大な業績を残した人物をテーマにした、人物系のミュージアムが数多くあります。さまざまな工夫が凝らされた展示からは、単にその人物の業績を知るというだけではなく、その人の生き方や考え方、仕事の仕方などもうかがい知ることができます。

そこで今回は、オンラインマガジン「博物月報」を運営する編集者、盛田真史さんに、オススメの人物系ミュージアムをピックアップしてもらいました。
 

情熱を傾けた創作の現場をのぞくことができるミュージアム

■松本清張記念館(福岡県北九州市)

多くの作品がドラマ化され、今なお人気が高い作家・松本清張(1909~1992)の記念館が福岡県北九州市にあります。ここには、映像作品の上映や書斎・書庫の再現のほか、清張が収集した銅鐸や中国の古銭が展示されています。

清張は単なる趣味としてこれらをコレクションしていたわけではないようです。コレクション脇のパネルには清張のコメントが載っていて、「古代史関係のものを書いていれば、現物をいつでも手にさわるところに置きたくなるものだ。とくに銅鐸は、博物館や個人美術館などだと展示室のガラスごしに見るだけで、指一つ触れられない。自分のものだと、欠片をむしり取ることも自由だ」と、語っています。
実際に触れてみて、その手触りや重さを実感しながら、創作のイマジネーションをふくらませていったのでしょう。

松本清張記念館
住所:福岡県北九州市小倉北区城内2番3号 
開館時間:午前9:30~午後6:00(入館は午後5:30まで)
休館日:年末(12月29日~12月31日)
URL: http://www.kid.ne.jp/seicho/html/index.html

■台東区立朝倉彫塑館(東京都台東区)

朝倉文夫という名前を聞いてピンとこなくても、早稲田大学の大隈重信像をご存じの方は多いでしょう。あの銅像を作ったのが、彫刻家の朝倉文夫(1883~1964)です。この記念館はアトリエと住居をそのまま記念館にしたもので、アトリエでは大隈重信像を間近で眺めることができます。

和風庭園の中庭に応接室、座敷、洋風のテラスと、和洋とりまぜて変化に富んだ建築に目を奪われてしまいますが、アトリエの採光が重視されているなど、仕事場の明るさを大切にしていたことがわかります。
また、応接室には一見、場違いのような人骨の人体模型が。人体の構造を知ることは、彫刻家にとって大切なことだったのでしょう。
このように、その人物の仕事術をうかがうことができるのも個人記念館のおもしろさのひとつです。

台東区立朝倉彫塑館
住所:東京都台東区谷中7-18-10 
開館時間:午前9:30~午後4:30(入館は午後4:00まで)
休館日:月・木曜日(祝日と重なる場合は翌日)、年末年始、展示替え等の臨時休館はWebサイトをご確認ください。
URL: http://www.taitocity.net/zaidan/asakura/

 

人物のエピソードが魅力的!偉人を身近に感じられるミュージアム

■ミキモト真珠島 御木本幸吉記念館(三重県鳥羽市)

御木本幸吉(1858~1954)は、世界で初めて真珠の養殖に成功した人物です。明治時代後期、真珠を養殖するという試みは、あまりに冒険的に思われ、山師(詐欺師)呼ばわりされたこともあったそうです。御木本は、そんな声に「俺は山師じゃない。大海師だ!」と答えたそう。博物館ではそんなエピソードがアニメーションでわかりやすく上映されています。

ほかにも、養殖真珠などのリスクの高い事業に乗り出すときは、多角経営で経営を安定させるなど、御木本の手堅い事業展開がうかがえる展示もあります。

ミキモト真珠島 御木本幸吉記念館
住所:三重県鳥羽市鳥羽1-7-1
営業時間:シーズンによって変更あり。Webサイトをご確認ください。
休館日:12月第2火曜日より3日間休業(2018年は12月11~13日の3日間)
URL: http://www.mikimoto-pearl-museum.co.jp/know/memorial.html

■大佛次郎記念館(神奈川県横浜市)

大佛次郎(1897~1973)は、『鞍馬天狗』『パリ燃ゆ』『天皇の世紀』など、時代小説からノンフィクションに至るまで幅広いジャンルを書いた作家ですが、大のネコ好きとしても有名でした。自宅にはいつも十数匹のネコがおり、ネコに囲まれて幸せそうな写真も多く残されています。

というわけで、記念館もおのずとネコ密度の高いスポットに。ネコの写真展が開催されたり、ミュージアムショップにもネコのコースター、根付(ストラップ)、缶バッジなど、オリジナルネコグッズがいっぱい。
作品だけではわからない作家の思いがけない人柄に触れることができるのも、個人記念館ならではの魅力です。

大佛次郎記念館
住所:神奈川県横浜市中区山手町113
観覧時間:4~9月/10:00~17:30(入館は17:00まで)、10~3月/10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:Webサイトをご確認ください。
URL: http://osaragi.yafjp.org/

 

偉大な業績、そこに至る道のりをわかりやすく知ることができるミュージアム

■中谷宇吉郎 雪の科学館(石川県加賀市)

世界で初めて人工雪を作った中谷宇吉郎(1900~1962)の業績を紹介する科学館です。人工衛星による気象観測などない時代、高層の気象を知る手がかりとなるのが、雪の結晶でした。どういう気象状況でどのような結晶ができるのか?それを知るために中谷は人工雪の結晶を作り出し、結晶ができるメカニズムを解明しました。館内には、1936年に初めて人工雪を作り出すことに成功した研究室が再現されています。

氷が溶けるとき、光のエネルギーによって、氷の内部が雪の結晶と同じ様な形をして溶けていき「チンダル像」というのが生じます。中谷はこのチンダル像から氷の研究を進めたそうで、館内の「氷の結晶」ゾーンでは、これらの実験を見ることができます。
このように研究業績を、展示パネルだけではなく、実験によって理解できるようになっているのは、科学分野の人物系ミュージアムの強みでしょう。

「チンダル像」実験の様子
中谷宇吉郎 雪の科学館
住所:石川県加賀市潮津町イ106番地
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:水曜日(祝日の場合は営業)
URL: http://kagashi-ss.co.jp/yuki-mus/yuki_home/

■北島三郎記念館(北海道函館市)

その人物の人生をわかりやすく知ることができるのも人物系ミュージアムの魅力です。歌手の北島三郎さん(1936~)の記念館が北海道函館市にありますが、入館するといきなり、列車の座席が並んだ「客車の内部」が実物大で展示してあります。これは函館の学校へ通った汽車内を再現したもので、ほかにも上京の際の「青函連絡船のデッキ」、下積み時代に流しの歌手をした「横丁の飲み屋街」などが登場。

歩いてまわるだけで、サブちゃんの人生の歩みを知ることができます。最後は、北島三郎のロボットが名曲『まつり』を熱唱するシアターゾーン。
ギミック(仕掛け)が満載で、観客を楽しませようとするサービス精神を展示全体から感じることができるミュージアムです。

北島三郎記念館
住所:北海道函館市末広町22-11 ウイニングホテル内
営業時間:9:00~18:00(最終入場)
休館日:年中無休(お盆・正月も無休)
URL: http://www.kitajima-museum.jp/

 

まとめ

人物系ミュージアムは、歴史に名を残した人の業績を学ぶことに適した施設であると同時に、偉人の人となりを知ることができる場でもあります。
創作や研究などに没頭するためにどのように環境を整えていたのか、プライベートはどんなことに夢中になっていたのかなど、日常生活を知ることができる資料などに着目することで、みなさんが仕事や趣味を楽しむ上でのヒントが見つかるかもしれません。ぜひ、人物系ミュージアムで、偉人ウォッチを楽しんでみて下さい。

※この記事は2018年2月時点での情報です。
 

記事監修:盛田真史(もりたまさし)
博物館の楽しさ・おもしろさに興味をひかれて1000館以上のミュージアムをめぐっている、編集者・ライター。日本各地の博物館、水族館、植物園などをルポする「博物月報」は、創刊26年目を迎える。著書に『親子で楽しむ!歴史体験ミュージアム』(朝日新聞出版)、『テーマで読む現代史』(朝日新聞社)など。「本で楽しむ博物館」シリーズ(河出書房新社)の企画・編集を担当。
博物月報 http://www.hakubutu.jp/
 
 

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